拙者、ゴルフ侍と申す。
シングルゴルファーを増やすために日々、情報発信を続けている。
諸君、2019年1月1日からゴルフルールが改正されたことは知っているか?
過去には2008年、2012年、2016年。
オリンピックイヤーにルール改正がなされるのが慣習であった。
しかし今回は「2020年」ではなく「2019年」ということで、1年の前倒しとなったのだ。
歴史や伝統を重んじるゴルフにおいて、今回のルール改正はゴルフ界を大きく変えることになるだろう。
まさに抜本的な改革だ。
ゴルファーであれば、そのルールを覚えておく義務がある。
今回は特にアマチュアゴルファーにも大きく影響するルールについて紹介したい。
拙者が影響度が高いと思った順にランキング形式でお伝えする。
次回のラウンドまでに、是非ご一読頂きたい。
- ゴルフルールの改正に至った2つのポイント
- 第一位:グリーン上でピンを立てたままパッティングしても良い
- 第二位:球のドロップは「肩の高さ」から「膝の高さ」へ
- 第三位:打つ順番は「遠い人から打つ」から「準備ができた人から打つ」へ
- 第四位:距離計測器の使用が可能になる(高低差や風向きなどは不可)
- 第五位:バンカーから2罰打でバンカーの外へドロップ可能になる
- 第六位:バンカーからルースインペディメントを取り除ける
- 第七位:ペナルティエリアでソールしてもOK(バンカーはNG)
- 第八位:ホール毎の最大スコアを設定することが可能になる
- ルール改正のまとめ
ゴルフルールの改正に至った2つのポイント
少子高齢化が進む現代においては、ゴルフ人口を増やすことが世界的な課題となっている。
日本では、バブル時代を経験してきた団塊の世代(60歳以上)に下支えされてきたが、毎年のように高齢者ゴルファーが減り続けている。
一方で、若い年齢層のゴルファーがなかなか増えないのも事実だ。
その主な原因としては、ゴルフ特有の歴史・伝統・格式・ルールといった目に見えない要素が挙げられる。
ゴルファーが増えないという状況を重く見たゴルフ界は、ゴルファー獲得に向けて大きく舵を切ることになった。
ゴルフルールの改正に当たっては、以下の2つがポイントだ。
①ゴルフルールの緩和
ゴルフルールは正直、難しすぎる。
ルールブックが1冊の分厚い本になるほどだ。
プロゴルファーでさえ、全てのゴルフルールを正確に把握している人は少ないだろう。
(毎年、試合でルール違反をめぐって騒がれていることからも分かる)
プロでも把握できていないルールを、アマチュアにも適用するには無理があるのではないか。
そうだ。
この問題を解決するには「ゴルフルールを緩和する」ことが有効である。
従来のようにゴルフルールを熟知した人だけが楽しむのではなく、ゴルフルール自体を簡素化して誰にでも分かりやすくゴルフを楽しめるようにすることが求められている。
②プレーファーストの励行
これまでのゴルフルールは大変に厳格であった。
それはそうだ。
ゴルフは審判のいないスポーツであり、誰にでも公平なジャッジがなされるように救済措置やペナルティに関しても厳しく規定されてきたのである。
しかし、そうしたルールの厳しさゆえにプレーが遅くなるという弊害も実際にはあった。
・ゴルフルールの順守により、プレーが遅くなる
・プレーが遅くなると、ゴルフでストレスがたまる
・ゴルフでストレスがたまると、ゴルフ離れが起きる
こうした事態を危惧し、「プレーファースト」を妨げていたルールを改正するに至った。
新ルールを実践してみれば、いかにゴルフルールが足枷になっていたのかが分かるはずである。
第一位:グリーン上でピンを立てたままパッティングしても良い
現行ルール:グリーン上で球がピンに当たると2罰打
改正ルール:無罰
今まではロングパットの際に、キャディや同伴競技者にピンを持ってもらっていたが、今後はピンを差した状態で打つことが可能になる。
確実に「プレーファースト」が実現できるだろう。
第二位:球のドロップは「肩の高さ」から「膝の高さ」へ
現行ルール:ドロップは「肩の高さ」から
改正ルール:ドロップは「膝の高さ」から
「肩の高さ」からドロップすると、バンカーでは目玉になりやすく、他でも思いがけない場所へ跳ねることが多かった。
「膝の高さ」からドロップすることで、球の勢いが抑えられて悪条件になる可能性が低くなったと言える。
しかし膝からドロップは難しいと感じるのは拙者だけか?
第三位:打つ順番は「遠い人から打つ」から「準備ができた人から打つ」へ
現行ルール:遠い人から打つ
改正ルール:準備ができた人から打つ
従来は「遠方先打」の原則があり、プロもアマもそれに従ってきた。
順番を間違ったとしても特にペナルティは与えられることはなかったが、今年からは「準備ができた人から打つ」方式に切り替わる。
「プレーファースト」という大義名分の下、ゴルファーの中で浸透してくれればプレー時間の短縮は相当なものだろう。
第四位:距離計測器の使用が可能になる(高低差や風向きなどは不可)
現行ルール:試合での距離計測器は不可
改正ルール:試合でも距離計測器は許可(高低差や風向きの測定は不可)
セルフプレーの必需品である「距離計測器」。
「2点計測方式」という条件付きだが、正確に距離を測ることができればプレーファーストに役立つだろう。
キャディーに聞いたり、ヤーデージ杭から歩測したりすることは不要になる。
もちろん計測器を使用することに抵抗感があるゴルファーもいるが、これからどうなっていくのだろう。
第五位:バンカーから2罰打でバンカーの外へドロップ可能になる
現行ルール:アンプレアブル(1罰打)でもバンカーの外は不可
改正ルール:2罰打を払えばバンカーの外へドロップ可
バンカーが苦手な人に朗報だ。
バンカーに入ってしまうと直接打つしか脱出ができなかったが、2罰打でバンカーの外へドロップができるようになった。
ドロップ場所は「ピン」と「球」を結んだ直線の後方である。
バンカーのアゴに埋まった目玉など、誰にでも利用する機会が出てきそうだ。
第六位:バンカーからルースインペディメントを取り除ける
現行ルール:バンカーからルースインペディメントを取り除くと2罰打
改正ルール:バンカーからルースインペディメントを無罰で取り除ける
従来は、落ち葉や小石などのルースインペディメントが球を邪魔していても、バンカー内では取り除くことはできなかった。
(例外としてプレーに危険を及ぼすと判断された場合には、小石は取り除くことができた)
今年からは堂々と取り除くことができるようになる。
結構、画期的なルール変更だと感じる。
第七位:ペナルティエリアでソールしてもOK(バンカーはNG)
現行ルール:ペナルティエリアでソールすると2罰打
改正ルール:ペナルティエリアでソールしてもOK
ペナルティエリアとは、赤杭で囲まれたエリアであり、池の周りなどがエリア指定されている。
ソールができるというのはゴルファーにとって地味に嬉しいルール改正だ。
ちなみにバンカー同様にルースインペディメントの除去も可能になっている。
第八位:ホール毎の最大スコアを設定することが可能になる
現行ルール:スコアの上限はない
改正ルール:スコアの上限を設けることができる
いわゆる「ギブアップ」の設定である。
身内のコンペでは、スコア上限を設けているところもあるだろう。
これをルールブックに明記されて普及が進めば、ゴルフ初心者も迷惑をかけることなく一緒にゴルフを楽しめることができるはずだ。
ルール改正のまとめ
以上、我々アマチュアゴルファーにも大きく影響する新ルールについて紹介した。
<ゴルファーに影響を与えるルールランキング>
①グリーン上でピンを立てたままパッティングしても良い
②球のドロップは「肩の高さ」から「膝の高さ」へ
③打つ順番は「遠い人から打つ」から「準備ができた人から打つ」へ
④距離計測器の使用が可能になる(高低差や風向きなどは不可)
⑤バンカーから2罰打でバンカーの外へドロップ可能になる
⑥バンカーからルースインペディメントを取り除ける
⑦ペナルティエリアでソールしてもOK(バンカーはNG)
⑧ホール毎の最大スコアを設定することが可能になる
以上の8つのルールを覚えてもらえれば、基本的に困ることはない。
他にも多くのルール改正があるが、ほとんどが例外に対する措置なので滅多にお目にかかれないはずだ。
今回のルール改正を機に、世界中でゴルフを楽しむ人が増えてくれると嬉しい。
ゴルフの門戸が大きく開かれた。
老若男女問わず、ゴルフを共に楽しもうではないか!