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【ゴルフ侍流|書評】「死ぬこと以外かすり傷」箕輪厚介|幻冬舎

投稿日:2018年9月1日 更新日:

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拙者、ゴルフ侍と申す。

「死ぬこと以外かすり傷」という本を読んでみた。

著者は「箕輪厚介」。

幻冬舎に所属する現役バリバリの編集者だ。

近頃、彼の言動がメディアを騒がしており、かつ圧倒的な結果を出しているということから、注目していた人物の一人だ。

これまで彼が手掛けた書籍は、この出版業界の不景気の中で大ヒットを飛ばし続けている。


<箕輪氏が手掛けてきた書籍例>

  • 「たった一人の熱狂」見城徹
  • 「逆転の仕事論」堀江貴文
  • 「多動力」堀江貴文
  • 「お金2.0」砂糖航陽
  • 「日本再興戦略」落合陽一
  • 「人生の勝算」前田裕二

時代の最先端を攻めるコンテンツもそうだが、それを発信する力にも長けている人物である。

そんな彼が満を持して「死ぬこと以外かすり傷」というゴルフ本を出版した。

なぜかゴルフコーナーには置いてないが、そんなことはどうでもいい。

同じ年代に生きる者として、彼の考え方について興味を持つに至り、

彼の処女作である本書を読んでみた。

なるほど。

この本は「武士道精神:武士道とは死ぬことと見つけたり」に通じるところがある。


<本書の特徴>

  1. 心に突き刺さる言葉のチョイス(さすが編集者!)
  2. 決死の覚悟が伝わる波乱万丈の人生
  3. これまで担当してきた著者を吸収した考え方

どれもが切れ味が鋭く、読み応えも抜群であった。

内容を簡単に紹介していくので、これからのゴルフの在り方について共に考えて参ろう。

彼は、現代の武士である。
これからの時代を切り裂く日本の武士として、諸君も彼の志に学ぶと良い。

第1章 【考え方】予定調和を破壊せよ

予定調和は悪だ。段取りどおり仕事をしても過去の何かの焼き直しのようなものしか作ることはできない。

ギリギリを歩き、カオスに飛び込め。新しいものは、そこからしか生まれない。

ゴルフにおける「予定調和」とは何だろうか?

世に蔓延する「ゴルフ理論」は知らず知らずの内に、我々ゴルファーの脳内を支配し、常識という名の非常識を埋め込まれ、画一的なアベレージゴルファーに変貌させていく。

「力を抜いて振ったほうが飛ぶぞ」

「もっと体の回転で打つんだ」

「ショートゲームを制す者がゴルフを制す」

全てを試してきた拙者に言わせれば、ゴルフのたった一部分を切り取れば「正解」だ。

しかし、それは「局所解」にしか過ぎない。

皆と同じことをしていては、皆と同じように下手にしかならない。

初心者や素人が考える世界では、「予定調和」で上達することはない。

もっと自由でいい。

結果が出なくても、自分らしさの中に自分だけの答えが眠っているはずだ。

自分だけのゴルフを見つけよう。
そんな気概を与えてくれる。

第2章 【商売のやり方】自分の手で金を稼げ

会社から餌を与えられる豚になるな。自分の手で、足で、頭で、名前で獲物を狩りに行くオオカミになれ。サラリーマンであっても金銭的、精神的に会社から独立せよ。

この章では「ゴルフのやり方」を説いていた。

「餌を与えられる豚」とは誰のことか分かるか?

自分では何も考えずに、ただ言われただけのことをする馬鹿者のことだ。

与えられるがままに知識を溜め込むのだが、完全にメタボ状態。

自分では獲物を取れず、餌がなくなれば死を待つのみ。

オオカミになって活路を見出さなくては先はない。

時には「ゴルフレッスン」で極上の餌を食べてもいいのだが、

その餌の「歴史・文化・原産地・加工所・販売所」も同時に食べねば意味はない。

料理は、胃だけでなく、頭でも食べろ。

その後、自分で料理を極めるようになるのが理想だ。

結局は「自給自足」で「自己調理」が最強。
下ごしらえ、調理、味付け、全てが思いのままだ。

第3章 【個人の立たせ方】名前を売れ

自分が何者か、何をやっているか明確に答えられる人間であれ。

自分の名を売れ。ブランドに人も金もついてくる。

最初はハッタリでいい。ハッタリかまして伝説を作れ。

彼は「ヒーローインタビュー」を意識しながら仕事をしているという。

大風呂敷を広げることで、そこに至るまでの行動も明確になる。

最終的には結果を出したもの勝ちだ。

ゴルファーも同様、いつものコンペで入賞狙いなどとレベルの低い話をするな。

毎回、「優勝インタビュー」を想定して挑め。

そしてガンガン勝ち進んでいけば、自ずとゴルフ上達の道が開けてくる。

「ハッタリ」は効果抜群の自己暗示だ。

優勝者の気持ちで試合に臨もう。
メンタルセットは完璧だ。目の前に敵はいない。

第4章 【仕事のやり方】手を動かせ

圧倒的に手を動かせ。戦術や戦略はそれから語れ。ウダウダ考える前に誰よりも打席に立つ。恥を恐れず舞台に上がる。話はそれからだ。

ゴルファーには学者や批評家みたいなのが大勢いる。

実際に球を打たせてみたら、その辺のアベレージゴルファーと変わらないのだから情けない。

時には考えることも必要だが、走りながら考えることが最強だ。

まずは練習場に入り浸れ。
時間が経つのを忘れるぐらい没頭しろ。

第5章 【人間関係の作り方】癒着せよ

仕事とは人間と人間がするものだ。業務的な関係を打ち破り、どれだけ相手の本物の言葉を引き出せるか、ねじり合い溶け合うような関係になれるか。まずは自分が丸裸になるしかない。

ゴルファーは個人競技でありながら、同伴競技者がいる面白いスポーツだ。

相手が会社の上司だとか、ビジネスの取引先だとか、全く関係ない。

なぜならスポーツだから。

スポーツは、そうした社会のしがらみを越えて交流できるのが利点だ。

そうと分かったら、自分のいつものゴルフを発揮すべし。

よそ行きのゴルフで自分を偽ったところで、相手にもバレバレだし、ゴルフは散々だし、いいことはない。

お互いに全てをさらけ出してプレーできれば、
真の戦友になれようぞ!

第6章 【生き方】熱狂せよ

大半の仕事をロボットがやるようになれば、人間は人間にしかできないことをするしかなくなる。合理性から逸脱した偏愛。すべてを失ってでも没入する熱狂。ロジックや計算では計れないものごとに価値が生まれる。努力は夢中に勝てない。

この「熱狂」という言葉の威力。

「熱く狂う」という状態になったことがあるか?

ゴルフ上級者には、必ずゴルフに狂った時期がある。

彼らはプレーがスマートなので騙されそうだが、例外はない。

逆に言うと、ゴルフに狂ってないから諸君は下手だと言える。

三度の飯も忘れてゴルフ、寝ても覚めてもゴルフのことばかり。

ゴルフの様々な醍醐味に触れ、こうした境地に辿りつければ上達は早い。

「努力は夢中に勝てない」
胸にグサッとくる言葉だ。

おわりに バカになって飛べ!

リスクなんて何一つない。失敗こそ最高のブランドだ。

バカになって飛べ。

まったく型破りな著者だ。

「この本を出した時点で腐り始めてる」と書いてある。

「活動の領域を拡大する」という宣言と同時に、「世界を驚かせる」という方向性を指し示している。

安定志向など微塵も感じず、とにかくあらゆるストッパーが外れている。

異常だ。

そういう意味では、拙者のゴルフにおける「マン振り」への偏愛も異常かもしれない。

人それぞれが感じる価値をそれぞれが追い求めた先には、全ての人が共存共栄する世界が待っている気がする。

まとめ

とにかく、この本は「ビジネス本」としてもかなりの出来栄えだ。

新時代の思考方法にバージョンアップするには最適の本である。

今回読んだ「箕輪厚介」氏の本はこちらだ。

彼がこれからどんなことを仕掛けるか楽しみでならない。

ゴルフの腕もさぞかし一級品なのだろう。

是非、注目しておこう。

若い諸君は必見。
中年のおっさんも変化を求めるなら、この本が必ず武器になる。
そう断言する。

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