拙者、ゴルフ侍と申す。
諸君はこんな格言を聞いたことがあるだろうか。
「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」
中国語では「授人以魚 不如授人以漁」と言われ、元来は老子の言葉とされている。
その意味は「人に《魚》を与えると1日で食べてしまう。しかし人に《釣り方》を教えれば生涯食べていく事が出来る」となり、非常に含蓄に富んだ内容である。
この考え方は、もちろん「魚釣り」に限った話ではなく、世の中のあらゆる場面に適用が可能だ。
今回は「ゴルフ」に当てはめて、どう向き合って行くべきかを共に考えてみよう。
魚釣りのスタイル
①魚を与える
「魚」を一般的に言い換えるならば、「結果・答え」となる。
ゴルフの究極的な目標がスコアであるのであれば、ゴルフでいう「魚」は「スコア」だろう。
「スコア」は他人からもらうことができない。
まさかプロが代わりに球を打ってくれるということはないだろう。
したがって、ゴルフに「魚をもらう」という行為は存在しないことになる。
「スコア」の責任は全て自分自身にある。
「スポーツ」の競技一般は全て同じことが言える。
「スポーツ」はやはり素晴らしいと再認識した次第だ。
②魚の釣り方を教える
「釣り方」を別の表現にするならば、「ノウハウ・テクニック」が当てはまる。
ゴルフでいう「釣り方」は、「スイング理論」が大部分を占めていると考えられる。
ゴルフ雑誌は「ノウハウ」の塊であり、レッスンを受けるとプロから「ノウハウ」を授けてもらえる。
そこで自分自身に合った方法を身に付けることができれば、ゴルフの結果も改善されていくことに異論はない。
しかしノウハウを教えることが、本当に自身のためになるのであろうか。
ここで断言する。
ほとんどのゴルファーは「ノウハウコレクター」で終わってしまう。
ノウハウを受け取り続けることで、自分自身で考えることを止めてしまい、ゴルフの腕どころか、その人のアイデンティティーまで殺してしまうことになる。
誰であろうと「ノウハウコレクター」になりたいと思う人はいないはず。
「なりたい自分」という人物像があり、それに向かって努力していくことが理想である。
魚の釣り方を教えてもらうこと自体は悪くないが、それよりも大事なことがあるのではないだろうか。
③釣りを教える
ここから先は、格言には存在しない。
「魚の釣り方を教える」だけで終わってしまっては消化不良に終わる。
格言の続きがあるとするならば、どんな内容が後にくるのだろうか。
恐らく「釣り方」の上位概念である「釣り」だと考える。
ゴルフで言うならば、「スイング理論」ではなく「ゴルフそのもの」である。
ゴルフには様々な醍醐味があり、多くの人々を魅了し続けている。
ゴルフの意義や楽しさ・厳しさを知ってもらい、後輩達が個性豊かなゴルファーになることを願うのが先人達の役目だ。
スイング理論といった「ノウハウ」は、二の次である。
それよりもゴルフに対する考え方や姿勢を教えていくべし。
上手いゴルファーはごまんといる。
しかし強いゴルファーは一握りだ。
強いゴルファーはゴルフの本質を知っている。
知っているからこそ、最後の最後、紙一重の差で結果を勝ち取れる。
もしもゴルフを教える機会があるならば、「ノウハウ」よりも「ゴルフそのもの」を教えることだ。
自戒も含めて、頭の片隅にでも置いといてくれ。
まとめ
以上、魚釣りの格言を基に、ゴルフへの向き合い方をお伝えした。
<魚釣りの格言>
①魚を与える
②魚の釣り方を教える
③釣りを教える
魚釣りを例にして、想定よりも深い話をすることができた。
今の自分のポジションはどこにあり、どうあるべきかを再考してほしい。
最後に。
「ノウハウ」だけを求めていることに気付いた諸君。
多くのゴルファーと出会え。
多くのゴルフスタイルを体感しろ。
自分の価値感に合うゴルフスタイルを創造し、それに向かって突き進もう。
世間の声は、儲からんとするメディアの大号令に引き寄せられた偽りの潮流だ。
自分を信じて、自分が決めた道を歩もう。
(ゴルフ侍)