
シングルゴルファーを増やすために日々、情報発信を続けている。
ゴルフクラブを選ぶ際、何に注意すれば良いのか。
メーカーやブランドにはこだわっているが、シャフトはあまりこだわらないという人も多いのではないだろうか?
実のところ、拙者もシャフトのことはよく分かっていなかった。
シャフトには最先端の技術が詰まっているにも関わらず。。。
この度、飛びのアッタスシリーズで有名な「USTmamiya」にてシャフトフィッティングを受けてきたので、そこで得られた知見を共有させて頂こう。
ゴルファーならば知っておいて損はないだろう。
USTmamiyaとは?
「USTmamiya」のUSTとは、「United Sports Technologies incorporated」の略で、世界のトッププレイヤーやゴルフを愛する全ての人に最上級のシャフトを提供し続けているトップブランドのシャフトメーカーである。
「USTmamiya」のmamiyaとは、日本初のカーボンシャフトを開発したメーカーであるマミヤ・オーピーのことを指す。
2009年2月、USTとマミヤ・オーピーのシャフト事業が統合し「USTmamiya」が誕生した。
現在の看板モデルはATTAS(アッタス)。
松山英樹プロも使っていたことやゴルフ雑誌にも多く載っているので、ゴルファーであれば知っている人も多いはず。
USTmamiyaへのアクセス
今回訪れたのは、東京都千代田区の「東京LABO」。
市ヶ谷駅と四ツ谷駅に中間にある場所で、駅からのアクセスは良好である。
こんな親切なアクセス動画もあるので、徒歩で行く際には一度見ておこう。
アクセス動画
市ヶ谷駅からの道順 https://youtu.be/DzHUMW_hcKs
四ツ谷駅からの道順 https://youtu.be/_pi_laqy0T8
なお東京LABOには駐車場が2台分あるので、自分のフルセットを持ち込むことも簡単だ。
入口のインターフォンで「401」をコールして、いざ入室!
予習:CPMとは何か?
シャフトフィッティングを受けるに当たって、まずは「USTmamiya」のYouTubeチャンネルで予習をしておいた。
シャフトを「硬さ」や「重さ」だけで判断している人は甘い!
是非、こちらの動画を見て勉強して頂きたい。
そう。
シャフトの硬さは、振動数(CPM:Cycle Per Minutes)で計測することができる。
CPMとは1分間に何回の振動をしているかを示す値であり、硬いシャフトは振動数が多く、軟らかいシャフトは振動数が少なくなる。
これにより各メーカーが独自に定めていたシャフト硬度(L/R/S/X)を比較しやすくなったのである。
日本製よりも硬いと言われるアメリカ製でも関係ない。
シャフトカットで硬くなったクラブもなんのその。
振動数こそが、シャフトの硬さを測るグローバルスタンダードなのである。
そこで、今回は自分のクラブセッティングの振動数を測ってもらうべく、以下のような表を準備した。
全てカタログデータである。
ご覧の通り、ロフト角のフローは上から下まで綺麗に3~4度刻み。
ここだけは拙者のこだわりだ。
しかしシャフト硬度を示すフレックスは「S」で合わせてあるが、これを数値化すると果たしてどうなるのか?
どきどきと胸を躍らせながら、シャフトフィッティングに挑んだ。
フィッターの橋添恵さん
本日、出迎えてくれたのはYouTubeチャンネルで大人気の橋添恵さん。
明治大学ゴルフ部出身でベストスコア69という凄腕ゴルファーである。
昨晩にYouTubeでかなり予習していたおかげで、初めて会った感じがしない。
簡単な挨拶の後、カウンセリング用紙に記入を終わらせ、さきほどの表を見せながら今回の意気込みを伝える。
すると、こんな表を持ち込む人は初めてだと驚かれていたが、後のクラブ診断でも参考資料として使うことができたので良かった。
何分、理系なもので申し訳ない。
今回リクエストしたのは、拙者のクラブセッティングの診断と、アイアンが思ったよりも飛ばないという2点についてだ。
さあ、フィッティングのスタートである。
拙者のクラブセッティング診断
まずは握力を測ってくださいとのことで、握力計が用意された。
「えっ?フィッティングで握力が関係あるのか?」
そうなのだ。
USTmamiyaでは試打をする前に握力を測定し、シャフトの重量選びの判断材料にするとのこと。
振り切れる範囲で重たいクラブがいいとされ、自分の握力に応じた理想の振動数フローが分かるのだな。
思い切り握力計を握りしめた結果は以下の通り。
握力
右手:41.1kg
左手:41.9kg
合計:83.0kg
同年代の男性の平均握力が47.16kgということで、拙者は一般人よりも非力であった。
これがどのような意味を持つのか。
しばらく待っていると、拙者の全クラブの調査結果が出た。
以下のCPMグラフだ。
白線がマイクラブの振動数、青線が理想の振動数である。
これを読み取ると、ドライバーからユーティリティーまでは比較的ソフトな流れだが、アイアンでは急にハードになるとのこと。。。
白線と青線が交わっているところで、振動数の傾向が逆転しているのだ。
なるほど。
アイアンシャフトは昔からダイナミックゴールドのS200を使ってはいたが、拙者の握力では少しオーバースペックだったのか。
このようなクラブセッティングだと、ウッドとアイアンの調子にバラツキが出るため、スイングを分離して考える必要があるそうな。
ドライバーが良い日に限って、アイアンが当たらない。
確かに思い当たる節がある。
これはスイングに問題があるのではなく、クラブの振動数フローに問題があったのだ!
クラブセッティングの改善方法
理想の振動数フローを知ったところで、次にどうするか?
考えられる方法は以下の2つである。
まず1つ目は、アイアンシャフトをウッドの振動数フローに合わせること。
ウッドが比較的得意な拙者としては、アイアンをダウングレードすることで、同じような力感で振ることが可能になる。
2つ目は、ドライバーとアイアンはそのままで、フェアウェイウッドとユーティリティーをハードスペックにすること。
実はドライバーとアイアンの振動数を結んだ場合、綺麗な直線になるので、現在のセッティングでも親和性は高い。
よりハード寄りにスイングを固定することで、同じ感覚で振ることが可能になるとのこと。
つまり常時「マン振り」せよということだ。。。
橋添フィッターのアドバイスだと、前者のアイアンスペックを落とした方が良いとのこと。
そうすることで体の負担が少なくなることはもちろん、競技でスコアメイクを考えていくのであれば、少しゆとりのあるスペックが良いのだろうな。
アイアンのフィッティング
さあ、方向性は決まった。
アイアンのスペックをもう少し落とそう。
まずはマイクラブの試打から始まった。
7番アイアンで何球か打ったところで、打球解析をしてもらった。
▲マイクラブ(DG S200)の打球解析
あれ?
球が高いのはアイアンでもアッパーで打っているせいだと思い込んでいたが、実際はインパクトでフェースが開いていたのか?!
何球か打ってみたが、やはりフェースが開いているという結果になった。
球が高い原因はこれだったのか・・・・
そして池添フィッターいわく、スイングをそのままでシャフトで改善していくには、もっと軽くて柔らかいシャフトが良いとのこと。
さきほどの振動数フローでの結論と一致した。
そうと分かれば簡単だ。
スタジオ内にある大量の試打クラブの中から、軽柔(かるやわ)のクラブを何種類かを試打してみる。
その中でも最も適合したのは「Recoil(リコイル)」というシャフトである。
早速、計測データを比較してみよう。
▲試打クラブ(Recoil)の打球解析
あらら!
振り感は同じだが、フェースがスクエアに戻るし、ミート率も上がるし、飛距離も出るし、素晴らしい!!
7番アイアンで「155ヤード」から「168ヤード」に改善できたのは正直嬉しい。
これだと一番手違うな。
もちろんロフト角は同じ34度で、計測器も同じなので、かなり信憑性がある結果だと言える。
シャフトは「Recoil(リコイル)110」。
初めて聞くシャフトであるが、「つぶれ戻り」の反動を利用するというテクノロジーが採用されており、全米で大人気のシャフトのようだ。
アメリカでは各メーカーが純正シャフトにしているということで、知名度・実績は十分である。
「ちなみにアッタスのアイアンシャフトはどうですか?」
ふと気になって池添フィッターに聞いてみたのだが、「実はUSTmamiyaの男子社員(※全て飛ばし屋)は全員Recoilを使っています」とのこと。
安定と信頼のRecoil、是非とも覚えておきたいシャフトである。
まとめ
以上、USTmamiyaでのシャフトフィッティングの流れをお伝えした。
最適なシャフトを探していく過程で、今まで避けてきたシャフトに関して勉強することができた。
今回学んだこと
①フレックスだけでなく、振動数も参考にすべし!
②握力を測って、理想となる振動数フローを知るべし!
③打球解析をしながら、最適なシャフトを見つけるべし!
シャフトというと何だか難しくて敬遠してしまいがちだが、自分の体に合ったシャフトにするだけで即効性のある改善が期待できる。
これはシャフトフィッティングを受けた人しか分からない感覚かもしれないが、生涯スポーツとしてゴルフをこれからも続けたい人、競技ゴルフで少しでも上を目指す人など、一度は自分のクラブ診断をしてもらいつつ、理想のクラブセッティングを理解しておくだけでもフィッティングを受ける価値がある。
諸君も拙者のようにシャフトフィッティングを検討してみると良いだろう。